ハラスメントの難しさ
どこからがハラスメント?
先日、お客様との対話でハラスメントの話題になりまして。
このお客様は直接誰かにハラスメントを受けているわけではないのですが、同じ言葉でもそれを言った相手によって受け取り方が変わる、と話されました。
「あれ、髪切った?似合ってるね」
例えばこの一言。
このお客様曰く、それを言った相手に対して自分が好感を持っている場合、それはうれしい言葉として受け取れる。
それが好感以上、好意を抱いているような相手であれば舞い上がってしまうほどである。
けどその相手に何の感情も抱いていなかったり、むしろ自分が悪感情を抱いている相手だと「なに、そんなにいつも監視してるの?キモい!」となるそうです。
この言葉を発する相手がこのお客様に好感を持っているのか、それ以上の感情なのか、それは分かりませんが少なくとも「興味」を持っていることは分かります。
ですが受け手側の感情による受け取り方の違いまでは、恐らく分からないでしょう。
現在のハラスメント研修では上記のような一言もハラスメント認定される、と言われていますが、それを発する相手によって受け手側が全く違う受け取り方をすると、それはハラスメントではないということにもなります。
そこでこれまで報道された、元国民的アイドルグループのメンバーの記者会見の様子を観ていて、改めてその難しさを感じました。
コンプライアンス違反で番組を降板、活動中止していた彼の言動にはやはり違和感を感じました。
そのすべての発言を観たわけではなく、切り取られた部分のつなぎ合わせしか観ていませんが、大まかに言いたいことは見えて来ました。
もっともこの記者会見自体も、観ている側によっては受け取り方がだいぶ違うんだろうとは思います。
ただ私が観ていた限りでは、やはりどこか分かっていないところがあるように感じました。
記者会見の発言内容が彼自身の言葉なのか、弁護士によって作成されたモノかによっても変わってくるとは思いますが、全体として「謝罪」という体裁を取ってはいるのですが、そのすべての発言の守護は「私」に終始していたように思います。
会見の中で「謝罪したい」というコトバと「答え合わせをしたい」というコトバが繰り返されていましたが、それらはすべて彼自身が現状に至った理由を納得したい、謝罪するという形を取ることで満足したい、その上で今後も芸能活動をしたい、といった思いが言葉の裏にちらちら見えていたように感じました。
謝罪も答え合わせもこのような場合、それは無理であることはフジテレビ問題でも分かることだと思うのですが、その辺りをどう考えたんでしょう?
ハラスメントを受けた側からすれば、その相手の顔を見る、声を聴くことすら恐怖を感じるものです。
答え合わせをするということは、いつ、どんな状況で彼がどんな行動をし、どんな言葉を投げかけたかを説明するわけですから当然、その被害者特定に繋がるわけです。
それを許さなかった日本テレビの対応は正しいと思います。
ただ一方で、何がコンプライアンス違反に当たるのか、どんなことがハラスメントになるのか、それを行なった側にすれば自分の行動や言動のどこに問題があったのかが分からなければ、反省も改善も出来ないというのも事実です。
その辺りを今後どのように二次加害を防ぎながら当事者に理解を促すのか、そこがまだ難しいところなのかも知れないとも感じました。

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