「依存」に気付く

アダルトチルドレンのカウンセリングをしていると、そこにはほとんどの場合「依存」があります。

子供の頃の親子関係から「自分」が分からなくなってしまい、そこから生きていく上で常に「誰かに望まれる自分」を演じなければならず、望まれるため「自分」に無理をさせ、「自分」を犠牲とすることも厭わず、誰かに頼ることで「自分」の存在を確認する。

常に「他人ありき」の生き方は自分を疲弊させていることに気付かないまま、常に相手との関係を気にしながら相手の顔色を窺い、嫌われないように、見捨てられないようにと相手にすがるような生き方をしてしまうことで、結果的にいつもその関係が壊れてしまったり、DVや虐待を受けてしまったり、或いはしてしまったり…

これらの事は全て子供の頃に過ごした環境下において「自分」が生き延びるため、その方法として潜在意識に刷り込まれたものなため「自分」では気付けないままとなってしまっています。

この「相手」が恋人や夫婦といったパートナーの場合、その相手も「依存」傾向を持っていることが多く、私のところに恋人や夫婦との関係でカウンセリングに来られる方はほぼ、その方のパートナーにも依存傾向があります。

パートナーのため必死に尽くしてもうまく行かない、パートナーに迷惑をかけているのではないか、パートナーとうまく行かないのは自分が悪いなど、その関係の中ではいつも「自分」が悪い、と思い込んでしまっているところも問題ですが、パートナーのために、と思ってしていることが実はその逆でパートナーのためになっておらず、それがまた自分を責めてしまう要因になっていることに気付いて欲しい、といつも思います。

例えばパートナーがココロの病になってしまったのは自分のせい、と自分を責めてしまう方がいます。
ですがそれは違うんです。

そのパートナー自身にも「依存」という問題があって、それにその人自身が気付いていないためにそうなってしまっているだけなんです。

だから本来、そのようなパートナーとは物理的に離れることがそれぞれのココロの回復と問題の改善の第一歩となるのですが、依存の厄介なところはそれが『出来ない』ところです。

あの人には私がいてあげなくちゃ…
あの人は私が守る…
あの人がいてくれないと私は…

こんな想いがあるため、たとえじぶんでは「別れた方が良い」と理解出来たとしても、それが出来ないままお互いに苦しみの中でその関係性を継続させてしまいます。

まさに依存を簡潔に表す言葉「分かっちゃいるけど やめられない」という状況になってしまっています。

何で離れられないのか。
その依存の元にある感情が「寂しさ」だからです。

相手の事を好きとか嫌いとかではなく、ただ自分のココロの奥底にある「寂しさ」を埋めたいだけなんです。

その寂しさを埋めるため、お互いに埋め合うため、お互いにお互いを頼り過ぎ、お互いに頼られ過ぎるというアンバランスな関係を続けてしまい、お互いに疲弊してしまうか、そのパワーバランスから虐待やDVをする側と受ける側になってしまいます。

お互いに頼り頼られる関係によって、世の中が形成されているのは間違いないのですが、そのバランスが極端になってしまうとその関係は壊れてしまいます。

依存はカウンセリングによって精神的自立を出来るようになっていくことで改善出来るのですが、その道のりはその生き方を続けている長さによって、変わって来ます。

依存する生き方を長く続けていればいるほど、その回復と改善にも時間が掛かります。

その長さから途中で改善を諦めてしまう方も結構います。
ですが「自分を生きたい」という想いを胸に、しっかり自分と向き合われる方は確実に自立出来ていきます。

そしてそこからは依存しない、良い人間関係が結べるようにもなっています。

「不幸で居ることが安全で安心出来る生き方」と思い込んでいるアダルトチルドレン。
まず自分の中にある「寂しさ」と向き合い、そこから生じる「依存」と向き合うことから始めてみましょう。

ヒーリングフォレストはアダルトチルドレン専門のカウンセラーがあなたの生きづらさに寄り添いながら、あなたが精神的自立出来るよう、しっかりとサポートいたします。

精神的自立